【修能試験に異変】尹錫悦政権の「キラー問題」禁止令と「医学部定員拡大」推進で浪人受験者数が過去最大規模に

・全受験者中31.7％が浪人生
　韓国で16日、国が主管する大学入学共通試験である「修学能力試験」(以下、修能)が行われる。

　今年は、50万4588人の受験者のうちの31.7％が仮面浪人を含む浪人生で、1996年以降最大規模と予想されている。
このように浪人受験者が増加した理由としては、「キラー問題」の排除と前代未聞の「医学部ブーム」などが挙げられている。

　「キラー問題」とは文字通り、受験生を落とすために出題する問題のことだ。
10人に1人が解けるかどうかという超難易度に加え配点比重も高く、特に成績上位圏の受験生たちにとっては、
キラー問題を解けるかどうかによって入学可能な大学看板が決まる人生の別れ道でもある。

　ところが、キラー問題は高校教育課程の範囲外から出題されるため、その対策は塾など私設教育機関に頼らざるを得ず、
過度な教育費支出を誘発する原因になっているという批判がある。

　そのため、「公正」を政権のキーワードにしている尹錫悦(ユン・ソンヨル)大統領は6月、今年の修能からキラー問題を排除すると発表した。
高い学費を払って塾に通える学生だけが解けるようなキラー問題は公正ではない、という意味だ。

　すると、9月の模擬試験では高校卒業生、つまり浪人受験者が急増した。
今年の修能試験が以前より容易になるだろうという期待感のためだ。
入試専門家たちは、
「キラー問題のせいで良い点数が取れなかったと考えている卒業生たちが、期待感を持って再び修能受験に飛び込んだのが原因」
と分析した。

　そして、韓国社会を席巻している「医学部ブーム」もまた、浪人受験者の増加をもたらした重要な要因として取り上げられている。

・医学部が人気を集める理由
　最近、韓国の東大といわれるソウル大学の理科系の合格点数が、延世大学と高麗大学の合格点数より低くなったというニュースがあった。
ー中略ー

　これに対して学院関係者は、「延・高大の合格生は、“自分より点数が高くなかった学生がソウル大の理工系に行けた”と思い、
“もう少し勉強して再び医学部に行ってみよう”と浪人に挑戦するケースが多い」と分析した。

　医学部がここまで人気を集める理由は至ってシンプルで、医者こそが韓国社会で最も安定的に高収入を得られる職種だからだ。

　OECDの「2023年保健統計」によると、2021年基準で韓国の医師(医師、漢方医、歯科医師)の年俸は2億6千900万ウォン。
これは、韓国の一般会社員の年俸の最高7倍まで多く、弁護士よりも2倍以上多い金額だ。

　反面、韓国の医師数は人口1000人当たり2.6人でOECD平均の3.7人に大きく遅れをとっている。
社会の急速な高齢化にもかかわらず、医師協会など圧力団体の強い反対により、
韓国の医学部の定員は17年間凍結されているからだ。

・小学生医学部クラスが流行中
　何はともあれ、「生涯職場」という概念が消え、未来が不確実な韓国社会において、
定年もなく安定的に着実に大金を稼げる職業は医師をおいて他にない。

　こうした事情から、最近では小学生を対象にした「医学部クラス」が猛威を振るっている。
ソウルの木洞(モクドン)や大峙洞(テチドン)などの名門塾が密集している地域で始まった「小学生医学部クラス」は、
今や全国的な広がりを見せている。

　彼らは「小学校1年生の時からお尻の力(長時間座って勉強する習慣)を身につけなければならない」
「小学生のうちに数学をマスターしなければ医学部には行けない」
「英語幼稚園-小学生医学部クラス-自私高(自立型私立高校=名門大学への進学率の高い難関高校)は
医学部に行くための『ロイヤルロード』」などの言葉で、親たちを巧みに誘惑する。

　このような小学生医学部クラスでは、小学校3年生の時から高校数学課程の微積分まで習わされるのだという。
ー後略ー

全文はソースから
11/15(水) 9:03配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d057f813275c0e2c597a112ff516815249332c20