京都市長選　告示直前、3極激突の構図一変　「政治とカネ」影響は

任期満了に伴う京都市長選（2月4日投開票）が21日、告示される。自民党や立憲民主党などが推薦する候補、共産党が支援する候補に加え、日本維新の会などが推薦する元市議が名乗りを上げ、主要政党が3極に分かれて激突するとみられていた。だが、告示目前で元市議に政治資金問題が浮上。維新は急きょ推薦を取り消し、不戦敗に追い込まれた。自民派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件発覚後、初の大型選挙で「政治とカネ」の問題がどう影響するか注目される。

21日告示、4氏が出馬予定
　主な立候補予定者は、元民主党参院議員の松井孝治氏（63）＝自民、立憲、公明、国民民主党推薦▽元自民京都府議の二之湯真士氏（44）▽共産が支援する弁護士の福山和人氏（62）▽元市議の村山祥栄氏（45）――の4人で、いずれも無所属。現職の門川大作氏（73）＝4期目＝は不出馬を表明しており、16年ぶりの新人対決となる。

　村山氏は当初、自身が設立した地域政党・京都党に加え、維新、前原誠司元外相が代表の新党「教育無償化を実現する会」、国民民主府連のそれぞれから推薦を受け、有力候補とみられていた。

　だが、自らの資金管理団体が開いた政治資金パーティーが「架空開催」だった疑惑が浮上。維新などは13日に急きょ記者会見し、推薦取り消しを表明した。村山氏によると、年末年始に9回企画したパーティーで総額約4680万円を売り上げたが、うち8回は来場者がいなかった。村山氏は「違法ではない」とするが、「寄付行為とみなされる可能性もあり、返金した」と説明。立候補は撤回しない姿勢を示している。

　維新は2023年4月の統一地方選で、京都でも躍進した。市長選を制して次期衆院選へ弾みをつける思惑もあったが、馬場伸幸代表は13日の会見で「コンプライアンスに抵触し、新しいリーダーとして推挙するのは難しい。京都で積み上げてきたものが瓦解（がかい）した」と険しい表情で語った。

　村山氏を強く推し、統一候補擁立の立役者だった前原氏は「京都では長らく共産対オール与党の首長選挙が行われてきたが、与野党がしっかり対峙（たいじ）する中央の構図を持ち込む目的だった。選択肢がなくなり、有権者におわびしたい」と陳謝した。

　一方、維新の勢いに危機感を持った自民府連は、鳩山由紀夫内閣で官房副長官を務め、現在は慶応大教授の松井氏に白羽の矢を立てた。07年参院選で西田昌司・現府連会長と京都選挙区の議席を争った「旧敵」だが、幅広い支援を得られると期待した。党派閥の裏金問題が逆風になるとの見方もある中、村山氏の思わぬ「敵失」に、西田氏は「勝負あったと思い込んでしまうことが一番の敵だ」と引き締めを図る。

　国民民主は「自主投票」を主張する府連に対し、党本部が松井氏の推薦を決定。主要政党レベルでは、京都で長年続く「共産対非共産」の対立構図に戻った。

　京都で根強い地盤を持つ共産は、異例の推薦見送りを決めた。20年の前回選で共産などの推薦を受けた福山氏は、現職側から「大切な京都に共産党の市長は『NO』」と攻撃された。今回は「無所属・市民派」を掲げるが、「共産隠し」との批判も受ける。23年末の党街頭演説では小池晃書記局長と手を取り合う場面もあった。

　自民府議だった二之湯氏は、父で元国家公安委員長の智氏が陣頭指揮を執る。府連の相乗り方針に反旗を翻し、除名処分を受けたが、一部の府議や市議が支援し、保守分裂の様相を呈している。【千葉紀和、千金良航太郎】

毎日新聞　2024/1/19 18:46（最終更新 1/19 19:30）
https://mainichi.jp/articles/20240119/k00/00m/010/236000c

自民公明が二之湯、立憲国民が松井、維新前原が村山、共産れいわが福山の四つ巴なら面白かったが、自民が二之湯の不人気でこのまま大差負け（政権への逆風もあり調査結果は村山福山を下回る最下位の可能性あり）よりは保守系議員ともうまくやれそうな松井側に寝返った構図

村山クン人気あるんやね！