青森県知事選　自民、小野寺氏推薦を見送り　総務会で異論噴出

任期満了に伴う青森県知事選（５月１８日告示、６月４日投開票）で、自民党県連は１９日、青森市内で総務会を開き、候補者選考委員会で固まっていた青森市長の小野寺晃彦氏（４７）を推薦する方針を見送った。自主投票を求めるなど選考委の決定に異を唱える意見が多数あったため。再度開く総務会で協議し、結論を党本部に上申する。

　知事選には、小野寺氏のほか、むつ市長の宮下宗一郎氏（４３）も立候補を表明し、党県連には両氏から推薦願が出ていた。

　総務会は非公開で開かれ、出席者によると、県連会長の津島淳衆院議員（比例東北）が、小野寺氏の推薦方針を選考委で決めた理由を説明した。県都をまとめ上げた実績や、現県政を引き継げる政治姿勢などを挙げたという。

　これに対し、出席した議員らからは「小野寺氏、宮下氏ともに有能な人材」「選考委が全会一致で小野寺さん推薦というのは、われわれの肌感覚と乖離（かいり）している」といった意見が出された。

　弘前支部からは自主投票を要望する意見書が提出された。「知事選について県議から聴取した内容を明らかにすべきだ」「自主投票を望む各支部、職域支部からの意見をどう受け止めたのか」など選考過程の不透明さを指摘し、丁寧な説明を求めている。

　総務会終了後、取材に応じた津島会長は「意見が出尽くしたという状況ではない。十分な議論を尽くす必要がある」と述べた。次回の開催日程は未定。

　友党である公明党県本部が１６日に自主投票を発表した点については「直接的な影響はないと思う」と述べるにとどまった。

河北新報　2023年2月20日 6:00
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