自民大阪「支部長公募」選挙区判明　岸田派優遇に不満も

自民党が大阪府連立て直しに向け近く開始する支部長公募の対象選挙区が3日判明した。既に支部長がいる11の衆院小選挙区支部のうち大阪4、8、11、12、15、17区の計6選挙区で実施し、結果次第で支部長を差し替える。党独自の調査などで日本維新の会に特に押されていると判断した支部を抽出したが、岸田文雄首相が率いる岸田派の支部長2人は対象外で、続投が内定。府連内には「首相の身内びいきでは」との不満が渦巻いており、今後の火種となりそうだ。報告を受けた。

　5日にも、支部長不在で公募を始めた大阪府内4選挙区と合わせた計10選挙区で、公募を一括形式で始める方針。現支部長も公募に手を挙げることは可能だが、再任される保証はない。

　この党本部方針に、府連関係者から反発の声が上がった。現支部長11人中、2021年の前回衆院選で比例復活もできず落選したのは9人。そのうち公募対象の6支部長は岸田政権では非主流派の二階派2人と安倍派1人、無派閥3人で、公募を免れた3支部長は岸田派2人と幹事長派閥の茂木派1人だったためだ（21年衆院選当時）。

　特に岸田派の大西宏幸1区支部長と左藤章2区支部長は、21年衆院選小選挙区での得票数が当選者にどれだけ迫ったかを示す「惜敗率」が60・97％と66・94％（党本部集計）で、公募対象の4区の支部長、中山泰秀氏（安倍派）の67・70％などより数値で劣る。大阪の元衆院議員は「あまりに露骨」と憤りをあらわにし、別の府連関係者は「岸田派の優遇だ。支部長を外される人も『なぜ彼らだけ残っているんだ』となり、反感を買うだけだ」と批判した。

　谷川氏は2日、記者団に対し「（支部長の地元での）活動をいろいろと党本部もチェックした。頑張っているところ、頑張っていないところと濃淡がある」と述べ、公募対象の選定結果に理解を求めた。【畠山嵩、菊池陽南子、東久保逸夫】

毎日新聞　2023/7/3 21:05（最終更新 7/3 21:11）
https://mainichi.jp/articles/20230703/k00/00m/010/280000c