【JBpress】日本の反撃能力保有を批判？領空侵犯の北朝鮮無人機を撃ち漏らした韓国の矛盾

「韓国の承認を得ず、北朝鮮に反撃することはできない」という主張の疑問　（羽田 真代：在韓ビジネスライター）

　2022年12月16日、韓国外交部の当局者は、日本が閣議決定した国家安全保障戦略など安保関連3文書で反撃能力（敵基地攻撃能力）の保有を明記したことについて、次のように指摘した。
「朝鮮半島を対象とする反撃能力行使のように、朝鮮半島の安保および国益に重大な影響を及ぼす事案については、事前にわが国との緊密な協議と同意が不可欠だ」
　同日には、今度は韓国軍が「韓国の領土を『朝鮮半島とその付属島しょ』と明記した憲法第3条に基づき、北朝鮮は韓国の領土となっている。このため、韓国の承認を得ず北朝鮮を攻撃することはできない」と主張。日本政府の方針を否定するかのようなコメントを出した。

　屁理屈を言うようだが、韓国のこの主張を尊重した場合、北朝鮮が放った弾道ミサイルは韓国が放ったことにはならないだろうか。
　北朝鮮の弾道ミサイルは日本の排他的経済水域（EEZ）内に何度も落下し、時には日本列島をも越え、我々の生活に支障をきたしている。韓国政府が日本政府の方針を否定するのであれば、国際社会を脅かす北朝鮮の言動について、“同じ領土”である韓国が責任を取るべきだろう。
　日本の国家安全保障戦略についての韓国側の主張は、周知の通り矛盾している。

　12月26日、北朝鮮の無人機5機が南北軍事境界線を越えて韓国の領空を侵犯した。韓国軍合同参謀本部の発表によると、北朝鮮の無人機侵入を受けて、韓国軍は戦闘機と攻撃用ヘリコプターを発進。ヘリコプターが100発もの射撃を行った。
　北朝鮮が韓国領だと主張するのなら、北朝鮮から飛来したものは領空侵犯ではないだろう。
　韓国と同じように、北朝鮮も韓半島全体が北韓の領土だと言明し、南韓地域を未解放地域とし、北韓が韓半島の唯一の合法政府であると宣言している。互いに互いの領土を自国領だと主張しながら、「領空侵犯だ」「領海侵犯だ」と言って罵り合うのは何だか矛盾しているような気がしてならない。

ー中略ー

日本の反撃行使に関する韓国民の反応
　話を戻そう。韓国が北朝鮮の無人機に対して他国の承認を得ずに反撃できるのであれば、日本だって北朝鮮が日本に危害を加えようとした時に、他国の承認を得ずに反撃しても問題ないだろう。
　日本の反撃行使については米国のハイノ・クリンク元国防次官補代理も、米政府が運営するメディア「ボイス・オブ・アメリカ」韓国語版で、「（北朝鮮のミサイル発射に日本が反撃能力を行使する際に韓国の同意が必要になるかという記者の質問に対して）そんな状況では韓国政府のいかなる許可も必要ないと思う」「正直なところ他国の許可は必要ない」と述べている。

　彼の発言からもわかるように、韓国政府の日本政府に対する発言は内政干渉のようなものだ。
　韓国国民の反応はと言うと、「アメリカは沈黙を貫くのではなく、むしろ日本の決定を評価するだって？　日本が朝鮮半島に戦争を仕掛けることを歓迎するアメリカを信じられるか？」「日本は北朝鮮との間に問題が生じれば、韓国をパッシングして反撃してくる。日本という国は、いつも力のバランスが崩れたら戦争を起こす国だ。もう自衛隊ではなく攻撃可能な軍隊を持つ日本」などという意見をあちらこちらで聞く。

　もちろん、日本が反撃能力を保有すべきだと考える韓国国民も少なからず存在するが、韓国政府や韓国軍の「北朝鮮は憲法上韓国領なのだから、韓国の承認を得ずに北朝鮮を攻撃することはできない」という主張は、多くの韓国民の意見を代弁したにすぎない。

北朝鮮無人機を攻撃する矛盾
　であるならば、北朝鮮の無人機に反撃する韓国政府の方針を韓国国民はおかしいと思わなければならないし、韓国政府は自分たちの矛盾した行動に気づかなければならない。
　北朝鮮という自国領と自国民を攻撃してもいいのか。自分たちは他国の許可なしに反撃しておいて、日本の反撃には韓国の承認が必要だなどと言えるのか、と。
　親日政権といわれる尹錫悦政権ですらこのレベルである。韓国が左派政権に戻れば、もっと激しい日本バッシングが我々を襲うことだろう。だから我々はその前に対策を講じておく必要がある。
2022.12.31（土）
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/73341

なので仮に北と外交正常化があってもビタ一文、北に払う金はない

拉致に対する賠償要求は別