【奈良・斑鳩町】維新議員が横領容疑で逮捕　自治会費600万円が使途不明に…秋祭り中止で地元落胆

日本維新の会に所属していた前町議会議員が自治会費を横領した疑いで逮捕された影響で、8日、開催予定だった奈良・斑鳩町神南自治会の秋祭りが急きょ中止となった。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりとなる、地元住民が待ち望んだイベントだった。

　5日、業務上横領の疑いで逮捕されたのは、日本維新の会に所属していた前・斑鳩町議会議員、大森恒太朗容疑者（41）。先月29日、自治会の口座から20万円を引き出し、横領した疑いがもたれている。

　6日の送検では、表情を変えることなく、警察車両に乗り込んだ。

　自治会の関係者によると、先月、秋祭りの資金を確認したところ、本来は約18万円が残っていたはずが、約14万円しかないことが判明した。

　去年4月から1人で会計担当を務めていた大森容疑者に、自治会の幹部が説明を求めると、大森容疑者は、法被のクリーニング費用などに支出したとして、領収書を提出した。

　しかし、記載されていたクリーニング店は実在せず、領収書は架空であることが分かり、大森容疑者は、「株やFX投資で負けた。300万円を使った」などと、着服を認めたということだ。

　さらに、自治会が保有する貸し駐車場の収入、存在しない防犯カメラの設置費用、住民から集めた自治会費の未入金など、使途不明な金の総額は約600万円に上っていたという。

　所属していた日本維新の会奈良県総支部の関係者によると、大森容疑者は「数百万円を遊興費に使った」と話したという。

　自治会の関係者は、「それなりの罰を受けてほしい。1人のお金じゃない。きっちり揃えて返してもらう」と憤る。

　神南自治会では、事件を受け、8日に予定していた秋祭りの中止を決めた。新型コロナウイルスの影響で、4年ぶりの開催が待ち望まれていたイベントだった。地元住民からは、「行く予定でした。残念やなって子どもとしゃべってました」と落胆の声が上がった。

　大森容疑者は、逮捕前、自治会の会計担当者を3年後の4月まで、2期連続で務める意向を示していたという。

　警察は、大森容疑者の認否を明らかにしていないが、着服の経緯や余罪についても詳しく調べる方針だ。

読売テレビ　2023.10.08 07:00
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